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2017年1月17日Column今週の余談

165kmの大谷翔平氏と400勝の金田正一氏、どっちが凄いピッチャーなのか。

昨年の年末に、大掃除で段ボールに入った昔の書類を整理していまと、なんと25年前の企画書が出てきました。いったい昔の自分はどんな企画書を書いていたんだろうと企画書を開いて見ますと、なんと、結構優れた内容の企画をしていました。今の企画書と比べても正直、昔の企画書の方が魅力的です。企画の内容ももちろんですが、出だしのインパクトやページ構成も良く仕上がっています。と、昔の自分に感心すると同時に、今の自分は何なんだ?まったく進化していないじゃないか。いや、むしろ後退しているのではないか?そんな気がしてきました。なんと情けない。

人間は時の経過とともに、少しずつ一歩いっぽ進化していくものだ。と思っていましたが、どうやらそうでもないのかも。私自身の成長は進歩どころか後退している。いったい私の25年は何だったのか? ちょっと、ユウツな気分のまま2017年を迎え気分一新できずにいる今日この頃、人間は昔の人と比べて進化しているのかについて考えて見ました。

そういえば昨年、プロ野球の世界では、日本ハムの大谷翔平選手が165kmを出して話題になりました。しかも、打者との二刀流であるのにもかかわらずです。プロ野球選手は年々進化しているんだ。と思っていたところ、あるテレビ番組で往年の名投手の金田正一氏が、『ワシの現役時代は170kmは出ていた』と豪語していました。ホンマかいな?きっと彼一流のジョークだろうと思いながらも、実際の金田正一氏は現役時代は何kmだしていたのか?興味が湧いてきました。

そんな時にタイミングよくNHK BSで、今のアスリートは本当に進化しているのか?をテーマにしたドキュメンタリー 『時を超えたアスリート対決』という番組を見た。番組では、カナダのアンドレ・ド・グラスという100m 9秒92の自己ベストを持つアスリートが、1936年のベルリンオリンピックの金メダリスト ジェシー・オーエンスと時空を超えて競争するもので、ド・グラス選手は当時と同じユニフォームとシューズを使用し、トラックも当時と同じ土を再現して走ります。体格はというとド・グラス選手もオーエンスも同じ身長176cm 体重70kg。ちなみにオーエンスの記録は10秒03で当時の世界記録だ。果たして1936年当時の環境でも10秒を切ることができるのか?

結果は、11秒00フラット。10秒を切るどころかオーエンスの出した当時の世界記録をも下回ってしまいました。ド・グラス選手の感想では、当時のシューズは今と比べて非常に重い。そして何より土のトラックは、蹴り足が滑って思うように走れなかった。当時のアスリートは並外れたパワーがあったのではないか。というようなコメントだった。番組では他に水泳やカヌー、競輪も同じように実験したが、やはり昔の条件ではタイムが大幅に低下。当時のアスリートの偉大さが浮き彫りになった番組だった。

さて、野球の大谷翔平選手と金田正一氏の場合は如何なものだろう。もし、大谷選手が金田氏の全盛期当時のユニフォーム、スパイク、ボール、マウンドで投げたとしたら?おそらく160kmすら出せないだろう。そんな風に想像してしまう。つまるところ、人間はそうは簡単に進化しないのだ。ただ、先人の経験の積み重ねの結果として科学と用具が飛躍的に進歩しただけなのだ。

翻って私の仕事である企画の場合は、感性が重要になる。25年の歳月で私は数え切れないほどの企画を考えて企画書をプレゼンしてきた。その経験の蓄積で確かに上達したと思ったのが、実のところは、企画ツールの進歩を自分の進歩と履き違えていたのだ。肝心要の感性は年齢とともに劣化していたのかもしれない。

今年はもう一度、原点に立ち返って錆のついたセンスに磨きをかけよう。そう思う1月なのだ。

 

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