M-BPOコラム

もし、あなたが今、何かを購入しようと思ったとき、まず始めに何をしますか?
こんなとき多くの方は、GoogleやYahoo!、あるいはAmazonや楽天などの通販サイトで検索。購入対象製品の種類や価格・機能を調べるのではないでしょうか?そして、その情報をもとに製品を購入するのではないでしょうか?
これは個人の場合に限ったことではありません。BtoB(企業間取引)においても顧客は同じような購買行動をとっています。もしかすると、すでに何度も対象となる新規顧客層の方が、貴社WEBサイトに訪れて製品やサービスをくまなくチェックしているかも知れません。そして、何の反応も無くスルーされているとしたら・・・それは機会損失以外の何ものでもありません。

製造業こそWEBマーケティングにチカラを注ぐべき時代!

桂幹人: 製造業と言えど、ものづくりに集中すれば安定した経営を続けられる時代は完全に過ぎ去りました。何業を営むにしても、常に新しい顧客を獲得する活動を続けることが大事になります。

小宮路: 特に受注形態の製造業の場合、少数の大口顧客を相手に長期的なお付き合いの中で安定経営を続けている割合が多いです。特に、いわゆる下請け的な受注業が該当します。
ですが、大口顧客を相手にしているがゆえに、不安定とも言えます。もし、大口顧客からの注文が途絶えたら即倒産の危機に陥るからです。私は、そういう受注系製造業こそが、新規開拓を目的とするWEBマーケティングにチカラを注ぐべきだと考えています。
WEBマーケティングは、WEBサイトを基軸にインターネット上にある様々な仕組みを利用して新規開拓を自動的に行うことができます。しかも、極めて少額予算で可能です。これを利用しない手はありません。

桂幹人: 確かに製造業は、新規開拓に積極的ではないですね。私が主催する社長塾の塾生や相談に訪れる方にも製造業の経営者が少なからずおられます。

桂幹人: 典型的な受注業ということでは、印刷業もその代表格です。彼らは、ペーパーレス化に代表されるようにデジタル化の流れとコロナ渦に押されて受注量が激減しています。しかし、新規開拓の有効な方法が分かっていないのが実情です。それで私のもとに相談にやってくる経営者があとをたちません。

小宮路: そうなんですか。印刷会社さんは、自社で営業用のチラシやパンフ、それにダイレクトメールだって作ることができるので、新規開拓を目的のマーケティング活動などは少額でできるハズですけど・・・。

桂幹人: その通りです。しかし、残念ながらそうではありません。例えば、この10年、私の事務所に印刷会社が売り込みの営業に来たためしがありません。販促宣伝チラシだとかDMだとか、それすらも届いたことはありません。

小宮路: そういえば弊社にも来ませんね。弊社などは、印刷物の制作サービスも取り扱っていますので、条件さえ合えば、印刷物を発注するのですが・・・。

営業の存在価値と問題点

桂幹人: 世間一般には、マーケティングと広告を混同しがちです。その流れでWEBマーケティングといえば、インターネット広告のことだと考えている方がいますが?

小宮路: そうですね。
まずマーケティングとは、市場ニーズを汲み取って、その問題を解決する手立てをお知らせする活動です。それをWEBサイトを使ってインターネット上で活動するのがWEBマーケティングです。
従来のマーケティングですと、告知活動として広告・販促が必ず必要でした。しかし、WEBマーケティングでは、必ずしも必要としません。

桂幹人: でも、WEBサイトは必要ですね。では、WEBマーケティングに効くWEBサイトの説明をお願いします。

マーケティングに効くWEBサイトとは

小宮路: 実はWEBサイトをリニューアルしたのに、想定したような成績が出ない。という相談が私のもとに数多く寄せられます。それで、そのWEBサイトを見ると所謂、最近のトレンドに則った動きの有る美しいデザインで仕上げられています。相談者に聞くと「ブランドデザイン」を採り入れて企業としての信頼感を醸成するためだそうです。加えて、デザインが良いと自社製品の品質も良く見えるから。というものです。もちろん、依頼したWEB制作会社さんもブランドデザインをイチ押ししたのでしょう。

桂幹人: 確かに、デザインの良いに超したことはないですが、それが直接、業績に影響するとは思えませんね。

小宮路: そうなんです。
そもそもブランドやデザインの意味を履き違えている方が多いのです。ひとつ事例をお話します。弊社が長きに渡ってWEBマーケティングをサポートしている「特殊ネジ」を作っている会社があります。この会社は、海に掛かる橋などに使用する特殊なネジを作っています。でも、ネジはネジ。製品自体が地味なのです。それでも何とか強烈にアピールしようと考えて動きのあるビジュアル重視のWEBサイトを作りました。デザインは、広告業界では名の通った東京のデザイン事務所が担当。コンテンツも同じく名の通ったコピーライターが請け負ったそうです。それで出来上がったのが、まるで服飾ブランドサイトのようなWEBです。ところが、いざ公開すると、その派手さとは正反対に、お問合せや資料請求が半減しました。

小宮路: 実は、リニューアル前のサイトは弊社が請け負ったWEBでした。

桂幹人: それでどうなったのですか?

小宮路: リニューアルして1年が経過したころに、弊社あてに社長が訪れて相談を承ったのですが・・・。随分と費用をかけたので、わずか1年で廃版して作り替えるのは忍びない。お問合せ等の成績は半減したが、デザイン的評価は内外で高評価されている。なので、このままのデザインでお問合せ・資料請求が増える手立てを考えて欲しい。という依頼です。正直、弊社が一年前に提案したリニューアル案が不採用になったこともあって、気乗りしなかったのですが・・・。相談されれば、やはり受けないわけにはいきません。

桂幹人: では、デザインはそのままでも、成績アップは可能なのですね。

小宮路: 失敗したWEBサイトの成績を取り戻すには、再リニューアルするしかありません。そもそも、コンテンツ構成自体の構造がダメなので・・・。ただし、今回はデザインを変えずに。という条件です。なので、そのWEBサイトには一切手をつけずに、別途、販促用のWEBサイトを増設しました。そして、リスティング広告と組み合わせてお問合せ・資料請求を元の数字まで取り戻す計画を立てました。

桂幹人: リスティング広告を、知らない方も多いので簡単に説明してください。

オンライン時代のプレゼンテーション営業セミナー

小宮路: リスティング広告とは、Googleなどでキーワード検索した結果表示の上位に小さく「広告」と表記されたテキスト広告が現れるのをご存知だと思います。あれがリスティング広告です。この広告は、ある特定の検索ワードの結果画面に表示されるように予め設定できます。その表示された広告をクリックしてリンク先のWEBページが表示されると自動的に課金される仕組みです。その課金額と結果表示順位は、入札額によって決定されます。(厳密には、もっと複雑な要素が加わって順位が決定します。)

桂幹人: で、そのリンク先のWEBページが大きな要素ですね。

小宮路: 仰るとおりです。検索結果で表示されるテキスト文をクリックした先で表示されるWEBページのことをLP(ランディングページ)と言います。

小宮路: このLPに、検索ワードに連動したコンテンツを組み込むのです。

桂幹人: 例えば・・・?

小宮路: 仮に「海中でも錆びないネジ」というワードで検索した場合、その検索ユーザーは海中で使用する錆びないネジを求めている訳ですから、表示させるLPには、海水に強い防錆ネジの情報を掲載し、その流れで資料請求へ誘導するようにコンテンツ全体を構成すれば、躊躇なく資料請求していただけます。
事例の特殊ネジ会社の場合は、このようなリスティング広告とランディングページをワンセットにした施策を複数設置して、リニューアル前の成績へ回復を図りました。
ただし、これはあくまでも窮余の策です。WEBマーケティングの本筋ではありません。

成果を出すWEBマーケティングの3つの最適化

桂幹人: ということは、王道があるということですね。

小宮路: はい、そうです。
WEBマーケティングで目論み通りの成果を上げるには「3つの最適化」が必要です。それが「アクセス最適化」「コンテンツ最適化」「ゴール最適化」です。この3つの最適化は、相互に連携しあって機能しますので、どれか一つが欠けるとまったく機能しなくなります。

桂幹人: では、まずは3つの最適化を簡単に説明してもらえますか?

小宮路: まず「アクセス最適化」とは、対象ユーザー層を自社WEBサイトへのアクセスしてもらうための対策です。

桂幹人: マーケティングの起点となる集客対策ですね。

小宮路: 次の「コンテンツ最適化」とは、WEBサイト内に対象ユーザーの求める情報を掲載することです。言葉にすると簡単に聞こえますが、これが実に難しく労力のいる施策です。まず、ユーザーの求める情報とは何かを突き止める必要がありますが、これに多くの手間と時間を費やします。次にユーザーが、その情報に「興味・関心」を惹き「欲求」を募らせ、お問合せや資料請求などへ「行動」させるようにコンテンツ化します。

桂幹人: 書籍や雑誌づくりの編集能力と共通していますね。

小宮路: 3つ目の「ゴール最適化」とは、何をもって成果とするのかを決めることです。ココで勘違いされる方が多いのが「お問合せや資料請求」といったことをゴール設定するケースです。でも、これでは本当の成果は出ません。例をあげますと、受注形態の製造業にとっての成果は、新規顧客との取引の成立です。もちろん、可能な限り、その取引が継続することが望ましいです。これが本当の「ゴール」です。ちなみに「お問合せや資料請求」を達成することをWEBマーケティングでは、コンバージョンと言います。でも、コンバージョンはゴールではありません。
ここを間違いすると「お問合せ・資料請求」が増えているが、そこで得た情報を営業部門にバトンタッチできずに、結果として実際の売上に結びつかない。といったことが起こります。

桂幹人: ビジネスにおいては、結果がすべてです。そこを肝に命じなければなりません。

小宮路: 最適化の手順は「ゴール」「コンテンツ」「アクセス」の順番で進めます。結果から逆算するのがコツです。この「3つの最適化」の詳細は、セミナーで詳しくご説明します。

海外取引を視野に入れたWEBマーケティング

桂幹人: 製造業のWEBマーケティングは、海外取引にも有効に機能しますか?

小宮路: むしろ、グローバルサイトの方が、好反響を得られます。直近の事例でも、私が企画設計した製造設備系商社のグローバルサイトでは、海外から毎月10件前後の引き合いがあります。そこから実際に営業商談を得て成約する案件が、年間ベースでコンスタントに数億から十数億円の売上を稼いでいます。
WEBマーケティングは、国内よりも海外に威力を発揮しています。

桂幹人: グローバルサイトは、国ごとの言語対応が必要なので、かなりの予算が必要では?

小宮路: 予めグローバルサイトと日本語サイトの両方を企図すれば、日本語サイト単独の1.5倍程度の予算です。ですので、かなり費用対効果の優れたWEBマーケティング運用が可能です。

WEBマーケティングと営業部門の連携

桂幹人: WEBマーケティングで常に問題になるのが、WEBサイトから発生した引き合いを営業が引き継ぐときです。

小宮路: 仰るとおりです。
よくある問題が、資料請求のあった企業リストを営業部に渡して、そこへ営業が電話をする。しかし、あっけなく断られる。というケースです。そこで、営業部からWEBマーケティング担当者へ、もっと成約確率の高い見込客リストを獲得するように。とクレームがつくのです。

桂幹人: 営業の立場からすると最もな意見ですが・・・。

小宮路: 話は「ゴール最適化」に戻るのですが、この段階で営業部門との連携方法や営業の役割、そして営業スキルなども加味した「ゴール最適化」設計ができていないことが原因です。
「ゴール最適化」で重要なツールが、請求対象の資料となるホワイトペーパーです。この内容が、請求したユーザーの要求に応えていない場合が多いのです。実はこれが原因である場合が多いのです。

桂幹人: せっかく資料請求したのに、欲しい資料じゃなかったらガッカリします。

桂幹人: これでは印象が悪くなるだけです。

小宮路: そうなんです。
それともう一つ大事なことは、資料請求ユーザーにも様々な状況があります。例えば、今まさに製品購入を検討中のユーザー、検討中だが今すぐ必要でないユーザー、今後の参考資料として資料請求したユーザー・・・・と、様々な状況があります。そこをキチンと見極める手立てを考慮すべきです。その上で、今すぐ購入しないユーザーには、自社と自社製品の存在を忘れられないようにコミュニケーションを継続する仕組みを持つべきです。
私が提唱する「ゴール最適化」では、こういうことも考慮します。

桂幹人: つまり、営業部門も巻き込んだWEBマーケティング設計をするわけですね。

小宮路: はい、その通りです。
BtoB系製造業の場合は、最終的な成約は営業商談を通します。ですので、営業部門とWEBマーケティング担当の連携・協力がスムーズに行くように協議を重ねた上で「ゴール最適化」します。ここをまとめ上げることが成果を生む大きな要因になります。

ルーティンワークに新規開拓を組み入れる

桂幹人: 新規開拓を実施するのに効果的な時期・季節などはありますか?

小宮路: WEBマーケティングによる新規開拓は、どのような状況に関わらず日常的に行うものだと考えています。よくある相談に「既存顧客の離脱が増えた結果、売上が大幅に低下したので新規開拓を急いで実施したい。」というケースがあります。実は、こういう相談が意外と多いのです。
しかし、残念ながらWEBマーケティングによる新規開拓は、短期間で達成するような性質の施策ではありません。むしろ、時間をかけてジワジワと長期的・安定的に行うものです。
ですので本来は、売上が安定しているときにこそ、ジックリ腰を据えて計画・実施することが求められます。また、長期的な計画だと無理のない少額予算で実行できる。というコストメリットも享受できます。

桂幹人: その通りですね。新規開拓は、普段から当たり前のごとく行うべき戦略です。事業を維持し拡大するためには、通常のルーティンワークに組み込まなければなりません。

桂幹人: とはいえ、実際には、多くの企業が売上が落ち込み、尻に火がつき始めた頃に、ようやく重い腰をあげて新規開拓に取り組もうとします。これではダメです。

小宮路: 仰る通りです。

桂幹人: しかし、そういうケースが多い以上、やはり対応しなければなりません。WEBマーケティング施策で、短期間に新規開拓を行い成果を出す方法はありますか?

小宮路: もちろん、あります。この場合は、ダイレクトレスポンス・マーケティングという手法を組み合わせて実施します。もちろん、予算的な制約があるでしょうから、その点も考慮したWEBマーケティングの企画設計を行います。
何れにしましてもデジタル時代のこれからは、WEBマーケティングが新規開拓に関わらず、既存顧客とのコミュニケーションにおいても中心的な役割を担うことは間違いありません。
私自身、一社でも多くの企業にWEBマーケティングの効果的な運用方法を説いていきたいと考えています。

次回 6月16日のセミナーは、BtoB系製造業のWEBマーケティングがテーマです。是非、参加・ご視聴ください。

プロフィール

ナニワのスゴ腕再建屋 桂 幹人

ナニワのスゴ腕再建屋として関わった企業数は10,000社を超え、全国に塾生2,500名を擁すナニワのスゴ腕再建屋が異名の経営コンサルタント。大阪産業創造館をはじめ、京都KISA、東京都中小企業振興公社、にいがた産業創造機構など多数の三セク産業支援センターで桂経営塾開催。また、各商工会議所や山陰合同銀行、第四銀行、近畿大阪銀行、りそな銀行奈良等々金融機関においても桂経営塾を開催。NHK「関西クローズアップ」「にんげんドキュメント」等多数のテレビにも出演。現在も多数の企業の経営再建に携わり多忙を極めている。主な著書:「儲からんのはアンタのせいや」講談社「会社再生 アンタ覚悟はできてるか」講談社「儲けの法則」二見書房など多数を著作

M-BPOプロデューサー 小宮路 信広

1990年 広告制作プロダクションを立ち上げ、製造業をメイン顧客とする展示会等のディスプレイや動画制作・各種印刷物の企画制作を行う。
2004年 企業WEBサイトの企画制作・運用サポートを柱とするWEBマーケティング事業会社(現アンツ・コンセプト)を新たに立ち上げる。
2014年 企業のデジタルマーケティングを戦略立案から運用まで総合的にサポートするM-BPOソリューション事業を発足。DX経営におけるデジタルマーケティング戦略の総合的なサポートを開始。中小製造業・卸業を中心にセミナーを通じたデジタルマーケティング啓蒙活動を行っている。

M-BPOソリューションとは
M-BPO(マーケティング-ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、専門的知識や経験を必要とするマーケティング部門を、戦略の立案から施策の実施までのすべてをサポートする事業。特にネット市場調査・解析に基づくWEBマーケティング施策に強みを持つ。

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